トップ 西日本シティビルプロジェクト NCBホール開館!市川團十郎さんが語った「文化が支える経済」

NCBホール開館!市川團十郎さんが語った「文化が支える経済」

2026年6月8日、西日本シティビル地下2階に「NCBホール」が開館しました。NCBホールは、博多駅に直結する最大398席の多機能ホール。クラシックコンサートから伝統芸能、セミナーや展示会まで、幅広い催しに対応する「地域文化の新たな発信拠点」として誕生しました。

開館記念セレモニーには、十三代目市川團十郎白猿さんが特別ゲストとして登場。一番太鼓の儀やクロストークに加え、舞踊『延年之舞』が披露され、満員の客席がホールの幕開けを見守りました。当日の様子を、現地からレポートします。

2026年6月8日、西日本シティビル地下2階に「NCBホール」が開館しました。NCBホールは、博多駅に直結する最大398席の多機能ホール。クラシックコンサートから伝統芸能、セミナーや展示会まで、幅広い催しに対応する「地域文化の新たな発信拠点」として誕生しました。

開館記念セレモニーには、十三代目市川團十郎白猿さんが特別ゲストとして登場。一番太鼓の儀やクロストークに加え、舞踊『延年之舞』が披露され、満員の客席がホールの幕開けを見守りました。当日の様子を、現地からレポートします。

博多駅前に誕生した新たな文化発信拠点「NCBホール」

NCBホールは、西日本シティ銀行の新本店ビル「西日本シティビル」の地下2階に整備された多機能ホールです。運営は一般財団法人NCBホール財団が担います。

博多駅直結で、福岡空港からも地下鉄で約10分。福岡市内はもちろん、九州各県や国内外からアクセスしやすい場所にあります。ホールは段差のない平土間形式で、広さは約400平方メートル。昇降式・移動式のステージを備え、催しに合わせてレイアウトを柔軟に変えられます。座席数はシアター形式で最大398席。クラシックコンサートや伝統芸能の公演から、セミナー、展示会、試験会場まで、幅広い用途に対応します。

音響設計は、国内外のコンサートホールを数多く手がける永田音響設計が担当。天井や壁、床には飫肥杉をはじめとする九州産木材がふんだんに使われ、木ならではのやわらかな響きを生み出します。客席の椅子には、博多織の献上柄(華皿)をあしらった張地が使われており、細部にも福岡らしさが息づいているのが特徴です。

空間と音響のこだわりについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

NCBホールの開館を告げる一番太鼓

セレモニーは6月8日の午後、西日本シティビルの敷地北東側に整備された立体広場「コネクティッドコア」から始まりました。多くの人が見守るなか、特別ゲストの市川團十郎さんが登壇しました。

「稽古で音響や空間を体験しました。とても良い環境に仕上がっていると感じました」

さらに、博多駅と地下で直結する立地に触れ、「福岡・博多だけでなく九州各県から来場しやすく、海外からの来訪者にとっても利用しやすい劇場になる」と期待を寄せました。開館記念公演として『延年之舞』を披露することについては、「光栄であると同時に重責でもありますが、その役目をしっかり果たしたい」と語りました。

続いて行われたのが「一番太鼓の儀」です。一番太鼓は、江戸時代に芝居の開演を知らせるために打たれた太鼓に由来する伝統儀式。まず、西日本シティ銀行の村上英之頭取(NCBホール財団理事長)から、歌舞伎囃子方の七代目田中傳次郎さんへばちが手渡される「ばち渡しの儀」が行われました。

その長いばちで、軽快にリズミカルに鳴り響く一番太鼓。博多駅前に、高らかにNCBホールの開館を告げられました。

NCBホールは新たな一歩を踏み出したのです。

市川團十郎さんが語る「文化と経済」

一番太鼓が終われば、地下2階のNCBホールへ。客席が埋まるなか、村上頭取が登壇し、開館を宣言しました。

「2026年6月8日、本日ここにNCBホールを開館いたします」

村上頭取は、西日本シティビルの建設にあたって当初から地域社会への貢献を強く意識してきたことに触れ、コネクティッドコアとNCBホールを「地域貢献の2本柱」として整備したと語りました。

続いて、神田紅さんの司会で、市川團十郎さんと村上頭取によるクロストークが行われました。

ちょうど博多座公演で福岡に滞在中だという市川團十郎さん。「朝は櫛田神社へ参拝し、その後ジムへ行きます」と、博多での日々を明かす場面もあり、客席を和ませました。

市川團十郎さんは、NCBホールを訪れて感じたことをこう語りました。

「西日本シティ銀行の皆さまは、経済や金融の土台に文化があることに対して、理解が深いのだと思います。福岡や博多の文化を支えながら、経済を発展させていく。その両輪を考えて、このような施設をつくられたのではないでしょうか」

これを受けて、村上頭取は「西日本シティ銀行には『地域の発展なくして、西日本フィナンシャルホールディングスグループの発展なし』という考えがあります」と応えました。

「金融面から地域を支えることはもちろんですが、文化や芸能も含めて、地域全体を支えていくことが大切だと考えています。その思いを形にしたものの一つが、この西日本シティビルであり、NCBホールなんです」

文化が経済を支え、経済が文化を支える。市川團十郎さんと村上頭取の言葉は、NCBホールが目指す姿そのものを表しているようでした。

開館記念セレモニーで披露された
『延年之舞』

『延年之舞』は、歌舞伎十八番『勧進帳』に登場する、武蔵坊弁慶が舞う舞踊です。「延年」という言葉には、文字通り「命が延びる」「福が訪れる」という意味があり、長寿や繁栄への願いが込められています。劇場を清め、その未来の土台を踏みしめていく。新しい劇場の門出に演じられてきた、由緒ある演目です。

今回は『勧進帳』の衣裳ではなく、紋付姿の素踊りで披露されます。市川團十郎さんは「多くの方々の尽力によって今日を迎えられたことに、敬意を表したい」と述べ、「身の引き締まる思いですが、皆さまと時間を共有できることをうれしく思います」と舞台に向かいました。

トークの和やかな空気から一転、ホールは厳かな静けさに包まれます。しんと静まり返ったなか、お囃子が鳴り出すと、空気が一気に華やぎました。

舞の合間に響く「ダン!」という足音が、客席の空気を一瞬で引き締めます。それは音というより、身体ごと伝わる振動に近いもの。客席との距離が近いホールだからこそ、市川團十郎さんの息遣いまでもが客席に届きます。歌舞伎ならではの緊張感が、ホール全体を包み込んでいました。

舞が終わると、ホールは大きな拍手に包まれました。「素晴らしかった」と満足げに語り合う来場者の姿が印象的でした。ステージの緊張感も、客席の高揚も、その場の全員で分かち合う。NCBホールが、そんな一体感のある空間であることを実感したひとときでした。

【インタビュー】市川團十郎さんが語る、NCBホールと福岡の可能性

セレモニー当日、クロストークの直前に、市川團十郎さんに直接お話をうかがうことができました。完成したばかりのNCBホール、そして福岡の街への思いを伺います。

——NCBホールをご覧になった印象を教えてください。

市川團十郎さん:音響や客席の構成など、いろいろな使い方ができそうな空間だと感じました。平土間でステージの位置も柔軟に変えられそうですし、さまざまな催しに対応できるホールなのかなという印象です。

——博多駅前という立地についてはいかがですか。

市川團十郎さん:九州全土の方々はもちろん、全国からも来やすいですよね。インバウンドのお客様にとってもアクセスしやすい場所だと思います。演劇や演奏会だけではなく、アートの展示会などにも向いていそうな空間だと感じました。

——NCBホールには、どのような可能性を感じますか。

市川團十郎さん:せっかくの新しいホールですから、新しい挑戦に期待したいです。クラシカルな内容も良いのですが、それを土台にしながら、福岡ならではの発信もできると思います。たとえば、博多祇園山笠の文化を現代アートや芸術に昇華したような、挑戦的な企画があっても面白いのではないでしょうか。ホール内で一つの作品をじっくり鑑賞し、その価値を共有できる場としても、可能性を感じます。

——福岡の街にはどのような印象をお持ちですか。

市川團十郎さん:今も博多座での『六月博多座大歌舞伎』公演のため、2週間弱滞在しておりまして、住みやすい街だと感じます。人口と街の広さのバランスが良いなと思いますね。

——民間企業である銀行が、文化施設を運営することについてはどう思われますか。

市川團十郎さん:銀行ですから、もちろん経済や金融を支えることが本業です。しかし、その土台を支えているのは文化でもあります。文化が安定し、豊かになることで社会や経済も発展していく。そうした長期的な視点を持ち、実際に形にしていることに意義を感じますね。

NCBホールが福岡の文化をつなぐ場所へ

NCBホールのコンセプトは「ココロが響く。であいをつなぐ。」人と文化、人と人のさまざまな「であい」の場になることへの期待が込められています。

村上頭取は、ホールへの期待をこう語りました。

「一流演奏家のパフォーマンスを間近で楽しめるホールです。コンサートや伝統芸能だけでなく、セミナーや展示会など幅広い用途に対応できます。地域の皆さまに親しまれ、感動体験と交流を生み出す場になってほしいと願っています」

金融だけでなく、文化の面からも地域を支えていく。その思いが形になったNCBホールは、開館の日、市川團十郎さんの舞で大きな一歩を踏み出しました。

博多駅直結という、九州の玄関口ともいえる場所に生まれた最大398席のホール。そこに集う人々が新たな文化や交流を育み、その輪が福岡から九州、全国、そして海外へと広がっていく。NCBホールはこれから、多くの人と文化をつなぐ場になっていくことでしょう。

なお、NCBホールを擁する西日本シティビルは、7月21日に全面開業を迎えます。

NCBホール公式サイト

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